最後に「あぁ、面白かった」って言いたいから

何回かの人生のステージを経て、いよいよ最後のステージがやってきました。 人生100年時代、どんなふうに最後の物語を作っていこうか。 このブログでは、最後に「あぁ、面白かった、ありがとう」と言えることを目指してシニア女性シングルライフを送る日々を記していきます。

光と風と感受性

 

昨日は、月に一度の公園ボランティアの日でした。

今回は、落ち葉掃きに加え、花壇に花を植えるというワクワクする作業もあります。

フリルのような花びらが特徴的なパンジー「フリルパンジー」と、もう一種類、グランドカバーの白い花を植えました。

 

写真撮り忘れましたのでネット(和花人さん)よりいただきました。



植え終えて、水をたっぷりとかけ落ち着かせた後、改めて花壇を見てみると……「かわいい!」。


ほんの少しの花があるだけで、そこが全く違う場所になりました。
黙ってそこにいるだけで、周りの世界を明るくやわらかに変えてしまう花の力には驚かされます。
「私も、こんな花のような存在になれたら……」とは、ちょっと恥ずかしいけれど考えてしまいました。

ま、なれたらなりたい、、ということです。コホン

 

昔、一軒家に住んでいた頃は結構熱心に庭仕事に取り組んでいました。

近所の方や新聞屋さんから褒められたり感謝されることもあって、密かに「次に生まれ変わったらガーデナーになるんだ」と夢見ていたものです。
あれから13年以上が経ち、その家を離れ、今はまったく異なる暮らしを送っています。
当時の自分には想像もつかなかった今の日々。

それでも、また土に触れる機会を得られたことがとても嬉しいです。

 

この季節には、落ち葉掃きも欠かせません。
大量のどんぐりたちには少し手こずりましたが、無事に作業を終えると心地よい達成感に包まれました。

 

天気も良く、美しい一日でした。
休憩中、ベンチに座ってふと空を見上げると、澄んだ青空を背景に紅葉樹と常緑樹が見事に調和し、目を奪われるようなコントラストを描いていました。
その美しさは、写真や絵でも到底再現できないでしょう。
鳥のさえずりが響き渡り、空を飛ぶヘリコプターが陽光を反射して時折キラリと光ります。

遠い子供時代に見た似たような風景をふと思い出しました。

 

しばらくその風景に浸り、言葉少なに過ごしていました。
心が満たされていく時間。
思わず「のどかですね」と独り言の様につぶやくと、「そうですよね」と優しい声で返してくれる人がいることに、深く感謝しました。

 

邪魔になると思って長らくどこかへ追いやっていた感受性が、少しずつ息を吹き返しているのを感じます。
もしかしたら、この先、詩や歌を詠むようになるかもしれませんよ、私。

余計な荷物を捨ててしまっても、人生には残るものがある。
それは気持ちよく晴れた空や、吹き寄せる風や、大切な人のひと言といった、ごくあたりまえのかんたんなことばかりだ。
そうした『かんたん』を頼りに生きていけば、幸せは誰にでも手の届くところにあるはずだ。

――石田衣良『40翼ふたたび』

 

 

 

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注:一応40代向けの本です。私も40代の時に読みました。

  でも何歳で読んでも心を動かされる言葉がたくさんあります。